ラーゴの仕事
「生物多様性」という言葉、知っていますか? 生物がたくさんいること? 希少な生物がいること? 実は、それだけではないのです。
地球には数億年という長い年月をかけて、周りの環境や他の生物との関わりあいに適応しながら3,000万種ともいわれる多様な生命が生まれました。これら生命ひとつひとつに個性があり、直接的・間接的に関わりあってその土地ならではの生態系を築いています。
生物多様性とは「地域の生物たちの豊かな個性と、そのつながり」であるといわれています。
自然はすべての生命の基盤です。
人類にとって食料や燃料、医療品など様々なモノの原材料です。人類の進化の過程で生まれた歴史や文化の基になり、居住スペースや治水など生活環境を提供してくれる存在でもあります。その自然を支えるものが「生物多様性」なのです。
このようにたくさんの恩恵を与えてくれる生物多様性は、地球の豊かな環境を守り続けるために必要不可欠であるとともに、私たちが存続するためにもなくてはならないものです。つまり、生物多様性を守るということは、私達自身の豊かな暮らしを守ることになるのです。
ラーゴでは、生物多様性を保全するために『プロジェクト企画・CSR活動支援』『自然環境調査・環境アセスメント』『ビオトープ設計・施工』を事業の柱としています。その中で、生物多様性に関する企画、生物調査・分析、自然環境復元、保全・研究、環境学習、広報・PRを業務として実施しています。
生物多様性を保全するためには、私達人間による具体的な行動が必要な段階まで来ており、これ以上の猶予は無いといわれています。
現在の資本主義社会においてきわめて大きな影響力を持つ企業活動は、これからの生物多様性保全を考えるうえで大変重要な位置付けにあるといえるでしょう。
近年、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility、略称:CSR)という言葉を耳にする機会が多くなりました。
企業は利益を追求するだけではなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持ち、あらゆるステークホルダー (利害関係者:消費者、投資
家等、および社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることが求められています。 そしてこのステークホルダーには、生物多様性も含まれているのです。 企業活動には一見関係なさそうな「生物多様性」ですが、前述のように、それなくしては人間が生きていけないことはもちろん、企業も資源やエネルギー、製品の原材料などを持続的に利用することができなくなります。つまり、リスクマネジメントの一環としても非常に大きなウエイトを占めているとともに、今後、法による規制などが加速することが予想されています。
ラーゴでは、CSR活動の支援にも力を入れており、滋賀県内をはじめ各地で多様な業種の企業の皆様とともに生物多様性保全を推進しています。企業にとって単なる慈善活動では無く、社会的な責任を果たすため、さらには成長やイノベーションの一翼を担う可能性を秘める活動となるよう生物多様性プロジェクトの企画から、生物調査、保全活動(自然環境復元、保全・研究、環境学習)、成果の広報までを一貫してサポートしています。
自然環境調査は生物多様性を保全するための第一歩であり、どこにどのような生物がどのくらい、どうやって暮らしているのかを明らかにします。大きな道路やダム、廃棄物処理施設など人間によって環境が改変される建設事業にあたっては、自然環境やそこに暮らす生物、そして生態系サービスの恩恵を受ける私たち人間に対する悪影響を回避・低減する必要があります。
環境アセスメントとは、開発などの事業によって周辺環境にどのような影響が発生するのかを事前に調査・予測・評価したうえで、専門家や自治体、地域住民からの意見を反映させて事業を計画するという制度です。
ラーゴでは、環境アセスメントが必要な事業において、動植物の現地調査や影響予測評価を行い、実行可能な効果の高い保全対策を立案致します。 また、各種資料や報告書の作成、事後調査(モニタリング調査)の計画や実施にも対応しています。
私達は物質的な豊かさと安全で便利な社会を獲得した一方で、自然環境と野生生物は減少し、その多様性は失われ、私達を取り巻く環境は悪化しつつあります。地球環境の保全はもちろん人間の持続可能な社会を目指すためには、現在も残されている自然環境の保全や、すでに失われた自然環境の復元は急務であるといえます。
ビオトープ(Biotope)という言葉は最近では一般の方もご存じだと思います。小学校などで水たまりがあって生物がたくさんいる緑地をイメージされるかもしれませんが、本来は「生物の生育・生息空間」という意味です。
ラーゴでは、生物調査結果に基づいた、その土地ならではの「ビオトープ」を設計・施工する事も事業として行っています。その土地本来の自然環境を保全・復元するためには、当然その地域の植物が生育することが重要です。同じ種類の植物といっても、九州に生育する植物と東北に生息する植物の遺伝子が同じとは限りません。植栽する場合には、できるだけその土地に近い産地の植物を植えることが生物多様性の保全に繋がります。
そのため、拠点としている滋賀県内では、自社圃場において県内産植物種を多数育苗しています。県外では、施工地付近に圃場を作成するほか、造園企業のネットワークを通じて地域産植物を入手する場合もあります。