ホーム » ブリヂストン びわトープ
- 工場敷地内の貯水池を改修し、琵琶湖の自然再生実験を目的としたビオトープ を創出
- 絶滅危惧種カワバタモロコの系統保存・繁殖実験、ヨシによる水質浄化実験の実施
- 様々な団体が協働する中で環境学習による効果や地域ネットワークの構築も進行中
びわトープとは、ブリヂストンびわ湖生命(いのち)の水プロジェクトの一環として、彦根工場内で琵琶湖の水環境を再現したビオトープのことです。株式会社ブリヂストン、三重大学、株式会社ラーゴ、琵琶湖博物館、地域社会が協働し、琵琶湖流域の生物多様性を保全することを目的としています。
びわトープでは、絶滅危惧種カワバタモロコの生息・繁殖のため、浅く水温が高い田んぼや緩やかな流れのある水路、産卵場所となるヤシ繊維の植生ロール等により多様な環境を創出しています。
カワバタモロコHemigrammocypris rasborellaは、体長5㎝程度のコイ科の淡水魚で、繁殖期のオスは金色に輝き、大変美しい魚です。かつては琵琶湖や内湖でたくさんみられましたが、生息地の消失や外来魚の影響などにより、現在は激減し野外での生息地は数えるほどとなっています(環境省レッドリスト絶滅危惧IB類、滋賀県レッドリスト絶滅危惧種)。
カワバタモロコの野外繁殖に成功
びわトープでは、滋賀県内の生息地から採集・放流された50匹のカワバタモロコが3,000匹に増えました。
繁殖実験が成功し、野外での生息地が増えたことはカワバタモロコ保全の大きな一歩です。
また、繁殖が成功した要因を解析することで、琵琶湖流域にカワバタモロコを復活させることへとつなげていけるのです。
地域の生物の保全
びわトープをつくった際には、地域に生育する植物を植えるとともに外来植物を抜き取ることで地域本来の自然環境を再現しました。
カワバタモロコ以外には動物を導入していませんが、今では周辺環境からやってきたたくさんの生物たちが暮らしています。
環境学習の実践
びわトープでは、毎年、従業員やその家族、地域のみなさまと一緒にさまざまな環境活動を行っています。
生きものの生息空間(=ビオトープ)としてだけではなく、琵琶湖同様いろいろな人が関わることで維持されています。
そのかかわりの中で、カワバタモロコをはじめとするたくさんの生きものたちが暮らせる環境がつくられているのです。
地域社会との協働
びわトープのほとりには、びわトープや地域産のヨシを使ったちょっと変わったあずまやがあります。
地域の大工さんやヨシ材屋さんと協力してつくり、ヨシを壁材に用いています。
地域の材料や人を新しい資源として発掘した取り組みです。